シニアのスマホデビュー 徹底サポート!②

何をどう選ぶのかさっぱり分からぬ

スマホデビューは決めたものの、なにも調べずショップに行けば、なんだか若造に丸め込まれて身分不相応な大きな契約をさせられそう・・・と不安な方も多いと思います。

初めに言っておきますが、ショップの店員さんは、何も知らない中高年からぼったくってやれ、とは決して思っていません。思いがけず大きな契約になってしまった場合のほとんどが、買い物客自身が、何が欲しいのかが分かっていないことが原因です。

ここでは、自分の使い方にマッチした契約にたどり着けるよう、事前に何を考えておかないといけないか、という話です。

先にスマホデビューしている友人がいるから、聞くからいいよ

これって、結構要注意なんです。使い方に見合わない大きな契約をしている友人が何と周りに多いことか。聞くなら、「あなたの通信量って毎月どれくらい?」と聞いて、すぐに答えられる程度に理解できている方に聞きましょう。

私自身、初めての時は身の程知らずの大きな契約をして、あとでプラン変更という面倒なひと手間をかけました。このひと手間を面倒と思わない場合は、そんなに神経質にならず、ショップの店員さんのおすすめで契約してもいいと思います。

機種選び

まずはスマホ本体選びです。

高価なものは性能がいい。これは基本中の基本ですが、じゃあいくらぐらいだと、どれくらいの性能か、自分の使い方にどれくらいの性能が必要か、そもそもココがわからないと選べないですよね。

性能以外にも、スマホを動かしている基本のOS(オペレーションシステム)がどこのものが入っているのか、とか、おサイフケータイや防水機能は必要か、などいろいろ考えていくと結構絞り込めるものです。

①まずはOS選び

OS(オーエス)はスマホを動かす仕組みのことで、これは、おおむね2択になります。

「Android」か「iOS」か。

「出た出た、カタカナとアルファベットばっかり」ってため息が聞こえそうですが、ちゃんと説明しますから安心してください。

iOS(アイオーエス)はアップル社が出しているiphone(アイフォン)専用のOSです。Android(アンドロイド)はグーグルが出しているOSで、アイフォン以外のスマホは全部アンドロイドです。世界的に見れば他にもあるのですが、日本ではこの2つのOS以外のことは考えなくて大丈夫です。

どちらの利用者が多いかといえば、日本では7:3ぐらいでiOSの勝ちです。

ユーザーが多い方が安心かな、と考えがちですが、実はそうでもないのがスマホの世界。実は世界的に見るとこれだけiphone信者が多い国は日本以外にはないんですね。

スマホには「アプリ」ってのを入れて自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズできるわけですが、このアプリ、日本製ばかりではないんです。外国で作られたものを翻訳しているものもかなりあるんですね。ってことは、世界規模で見ると、スマホのアプリはiOS向けのものが多いわけではないのです。

スマホ本体も世界各国でたくさんのメーカーが販売していて、日本にも、中国や韓国、アメリカの製品がたくさん販売されています。もちろん、表示は日本語に翻訳されています。

なんでもそうですが、今時、自国だけで商売をする大手メーカーって、無いですよね。だから、日本では少数派のアンドロイドを選んだとしても、困ることは全くありません。

じゃあどっちがいいのさ、と言われると、自分の使い方に合っている方を選ぶのがいい、ということです。

少し特徴を並べてみます

【アンドロイド】

・一般的にアンドロイドの方が好きなようにカスタマイズしやすい

・スマホでTVが見れる(ワンセグ、フルセグという機能)がついているものがある

・おサイフケータイ、防水機能がある機種も多い

・アプリは多いが、気を付けないと怪しいものもある

・SDカードにデータを保存できるのでWindowsのパソコンとやり取りが簡単

・機種の性能、値段はピンキリで、使い方によって好きなものを選べる

【iOS】

・処理速度が早い

・自由にカスタマイズができないぶん、直感的に操作できる

・アプリは少ないが有名どころはある。審査が厳しいので怪しいアプリが少ない

・若い人が大勢が使っているのでわからないところを聞ける

・アップルのパソコン、iphone同士と連携できる

・スマホ本体が高価

どちらのOSも欠点を克服しつつ進化を続けているので、どちらでもいいと思うのですが、iphoneは、スマホ自体が本当に高価なんです。性能はとてもいいのです。でも、10万もするスマホって欲しいですか?そんなに高性能なものが必要でしょうか。私が現在使っているのは1年ほど前、2万円台後半で購入したシャープのアンドロイドスマホですが、不満なく使っています。仕事でも私生活でもWindowsのパソコンを使うので、連携できるアンドロイドがとても便利です。

日本は、先に言ったようにスマホはiphoneユーザーが多いのに、パソコンはWindowsのユーザーのほうが多いという、ねじれ現象が起きています。Windowsのパソコン持っているのなら、アンドロイドのほうが使い勝手がいいのに・・・と思うのですが、なぜかiphoneを持っているとカッコイイと思う人が多いようです。 中高年の私たちは格好より、きちんと自分がどう使いたいかで選んだ方がもっとカッコイイと思いますので、皆さんは是非自分のライフスタイルに合ったものを選んでくださいね。

②スマホの頭の良さを選ぶ
  1. スマホはライフライン。ほぼ電話しか使わない予定
  2. せっかく持つのなら、便利な道具として少しは使いこなしたい
  3. スマホは体力に不安のあるシニアの最強の友!がっつり楽しみたい!

どんな使い方をしたいかで、スマホのグレード選択は変わってきます。詳しく説明していきますね。

スマホのパンフレットには「スペック情報」と言って、性能を書いてある欄があります。特によく見てほしいのが「CPU」「RAM」「ROM」の数字です。

「CPU」は頭の良さ、処理能力を示します。シングルコアは脳みそが1個、デュアルコアは脳みそが2個、クアッドコアなら脳みそが4個、ヘキサコアなら6個、オクタコアなら8個入ってると思ってください。

「RAM」は別名メモリ、短期記憶のことです。例えば、38254+99876+11224713=?と聞かれた時、計算が終わるまで、その3つの数字を覚えておく力です。単位はGB(ギガバイト)

「ROM」は別名内蔵ストレージ、長期記憶のことです。どちらかと言うと記録と言った方がいいかも。計算で出した答えを保管できるスペースがどれだけあるか、ということです。単位はGB(ギガバイト)

これらの数字が大きいほど優秀だということですが、値段も高くなりますので、自分の使い方に合わせて選ぶ方が経済的ですよ。

1.スマホはライフライン。電話以外はほぼ使わない予定の場合

(このケースの後期高齢者の方には、基本的にはガラホをおすすめします。)

スマホを検討している50~70歳代前半のアクティブな方は、CPUがオクタコア、RAMが2GB、ROMが16GBくらいのスペックで検討するといいと思います。

自分がこれまで使っていたスマホは、シャープのSH-M04という機種で、上記のスペックなんです。買ったときはミドルクラスでしたが、今なら中の下か、下の上クラスですね。これぐらいのスペックで十分だと思います。たまにカメラを使ったり、メールをするくらいなら余裕でしょう。

もっと安価で低いスペックのものもありますが、お勧めしません。

個人的な考えですが、単独で動く家電(掃除機や炊飯器、冷蔵庫など)は修理部品の保管期間のことを考えなければ、型落ちの安いものでもいいのですが、ソフトウエア頼みで動かすパソコンやスマホはあまり安物買いをすると、すぐに使えなくなると考えています。スマホはOSやアプリがアップデートのたびに大型になって、ROMを圧迫しはじめますから。長く使うと、良く分からないデータの「ゴミ」もたまりますしね。 若い人のように、コロコロ機種変するのに抵抗がある場合は上記くらいのスペックがいいと思います。

2.せっかく持つのなら、便利な道具として少しは使いこなしたい

いま2~3万円台のミドルクラスで、CPUがオクタコア以上、RAMが2~3GB、ROMが32GBくらいのものがありますので、これくらいで検討してみるといいと思います。

夫がこのタイプです。スマホは有効活用している方だとは思いますが、SNSはLINE(ライン)とFB(フェイスブック)だけ。電話やメール、SMS(携帯電話番号を知っていれば送れるショートメッセージ)ニュース、万歩計、スケジュール帳、目覚ましなどは毎日使います。カメラやネットサーフィンは週2~3回、ナビは月に1~2回使う感じです。音楽はスマホでは全く聴きませんし動画もめったに撮りません。撮影した写真や動画はさっさとパソコンなどに移し、スマホから消します。仕事で書類や画像のやり取りはしていますね。

最近よく見かける若者のように、暇さえあればスマホを覗くような使い方はしていません。

上記程度のスペックのものを購入すれば、便利な道具として使用するなら5年くらいは不便なく使えると思います。

3.スマホは体力に不安のあるシニアの最強の友!がっつり楽しみたい!

スマホはPC代わりにもなるし、がっつり使うぞ、という場合は、RAMが4GB以上、ROMが64GB以上のものをおすすめします。

これだけあると、もう小さなPCです。実は、いま自分が使っているのもこのクラスのスマホです。ハイエンドといわれるクラスで、5万円前後からあると思います。身に余るスペックとは思いましたが、仕事上動画を撮ったり投稿する機会も多いし、なるべく長く使いたかったので・・・。

これまで使っていた、シャープのSH-M04でも不便はないのですが、気を付けていないと、ROMが上限に近づくときも出始めたので、こまめにデータを整理していました。

最近のスマホの性能向上にともなって、アプリのデータ量も大きくなっていると感じます。

初期設定を済ませ、便利系アプリを入れたら、64GBあるストレージのうち、すでに20GB近くを使っています。今回入れたのはFB、LINE、メッセンジャー、よく行くお店のポイントアプリ、通信会社のメンバー用アプリ、セキュリティ対策アプリ、通話アプリ、通話タイマー、ヘルスケア、写真加工アプリ、グーグルカレンダー。ただし、最初から入っているカメラやSMS、時計、グーグルプレイストア、グーグルドライブ、Gメール、グーグルマップ、グーグルクローム、グーグルフォトなどの基礎アプリも使っています。

楽しみのためのアプリはほとんど入れていませんが、仕事でも使うので、便利系アプリはそこそこ使っていると思います。これですでに20GB近くを使ってます。

③電池持ち

外出が多い人は電池持ちも気にしてくださいね。何も使わない待機状態で12時間しかもたなかったら、実際には外出中に必ず充電が必要になる、ということですから。(そこまで電池持ちが悪いスマホは、今時ないと思いますが)

そうそう、スマホやケータイは、なるべく電池を使いきってから充電した方がいいのはご存じでしょうか?電池残量が十分あるのに、毎日一晩中充電して過充電を繰り返すと劣化が激しくなるんです。だから最近の若い人たちは「モバイルバッテリー」という充電式のスマホ用電池を持ち歩いています。私の場合は遠出はいつも自動車になるので、車にシガーソケットから充電できるケーブルを置いています。モバイルバッテリーも車用のケーブルも家電量販店などで手ごろな値段で買えますので必要に応じて購入するといいですね。「毎晩充電」は一見用意周到な、いい習慣に見えますが、スマホにとっては悪い習慣なのです。

④その他の機能

あとは、中高年の悲しさで、老眼が気になる人は画面が大きいものがお勧めです。5.5インチ~6インチくらいだとかなり見やすいと思います。ただし、バッグに入れて出かける女性はともかく、ポケットに入れたい男性は6インチはきついかもしれません。設定で字を大きく表示することで対応しましょう。また、6インチになると片手操作が難しくなります。大きければいいというものでもないんですよね。

私の知り合いは、通話もできる7インチのタブレットを使っていますよ。電話している姿はちょっと愉快ですが、そんなに電話は使わないようだし、老眼でもストレスなく画面が見えるので、結構便利なようです。大きいのでポケットには入りませんが・・・。

OSの項で、アンドロイドはワンセグや防水、おサイフケータイが使える、と書きましたが、すべての機種が対応しているわけではありませんので、これらが外せない条件の方は必ず購入時に確認してくださいね。日本製のスマホにはこれらの機能がついることが多いですね。

また、携帯電話会社のショップでは、客が中高年の場合、ストレージまで細かくは説明してくれないのが普通のようです。そんな細かいところまで説明したら反対に混乱するのでは、という配慮だと思います。でも、こちらから聞けばちゃんと教えてくれますので、遠慮せずに聞きましょう。

「価格.com」などで、いくつか見比べてみると良く分かるので、一度仮想ショッピングを楽しんでみるのもいいですよ。私も何か購入、契約するときはいつもここでスペック情報や購入者の口コミなどを比較してから購入しています。

プラン選び

機種が大体絞れたら、プラン選びです。

プランを選ぶとき、気にすべきは「どれくらい通話をするか」と「どれくらいネットを使うか」の2点です。通話の方はこれまでの感覚でご自分の通話量がわかるかもしれませんが、初めてスマホを持とうという人に、どれくらいネットを使うか聞いてもわからないですよね。

先程、私自身の使い方を書きましたが、結構使っている割には毎月1GB前後しか通信していません。なぜかというと、自宅と職場ではwifi(ワイファイ)が使えるので、スマホの通信量は一切使わないで済むからです。そう、スマホの便利なところは他人のふんどしで相撲を取ることができるのです。もちろんwifiのパスワードを知っていなければ使わせてもらえませんが。

自宅と職場のwifiは使用量の上限がない契約なので、なるべくwifiを通してネットにつなぐようにしています。(職場では当然許可を得ています)

特に通信量を消費するのが、アプリなどのアップデートと動画、ゲームです。

動画は見ないようにできますが、アップデートはしないわけにはいきません。・・・というか、スマホが勝手にします。なので、wifi環境があるのでしたら、アップデートはwifiがつながっている時だけにするよう設定しておくといいですね。(アンドロイドならPlay storeの設定の画面から直せます)

こうしてwifiと併用すれば、スマホ代は結構安く抑えられます。

多分ネットはあまり使わない、と思う場合は1GBの契約でスタート

wifiが周りになくても、ほとんどネットは使わない、アプリも使わない、たまにラインでメッセージを送ったり、週に一度程度ちょこっとネットサーフィンをするぐらい、ということなら1GBという最低ランクの通信量で契約しても大丈夫だと思います。

え~、もし足りなかったら、いざという時困る!と思うでしょう。それが困らないのです。

スマホの場合1GBで契約するということは「高速通信」が1GB使える、ということなんです。つまり、1GB使いきっても低速通信に切り替わるだけなのです。

通信会社にもよりますが、低速通信ではゲームや動画はまず無理でしょう。ネットサーフィンもキツイかもしれません。でも、電話やショートメッセージ、メールなど、いざという時に使いたいものは低速でも不自由なく使えるのです。

つまり、年に1~2度の通信量オーバーを気にして、念のため想定より大きなプランにしなくても大丈夫なのですよ。動画やネットサーフィンだけ翌月の月初めまで我慢するだけです。この状態を「速度制限がかかる」といいます。あまり頻繁に速度制限がかかるようであれば、プランを一回り大きなものに変更すればいいと思います。

ネットサーフィンにSNS、そこそこ使うかも・・・

wifi無しで私のような使い方を想定している場合、3GBくらいの契約にしないと間に合わないと思います。毎月通信量が不足してはストレスがたまりますからね。また、いやいや、ゲームや動画鑑賞をがっつりやりたいんだよ、という場合はもっとずっと大きなプランもありますのでショップで相談するといいですよ。毎日1時間はyoutubeを見たい、とか。

電話についても、従来の「かけ放題」とは別の「5分以内の電話なら何度でもかけ放題」というスタイルにして、料金を抑えたプランも出ているようですね。あまり長電話をしない方ならこういったプランもいいかもしれません。これも5分を過ぎたら電話が切れるわけではなく、オーバーした分は従来通りの電話料(30秒20円)を追加請求します、というだけのことですから。本物のかけ放題を選択すると、自動的に使いもしないたくさんの通信量もついてきたりするので、本当にかけ放題が必要か、ご自分の使い方を振り返り、よく検討されるといいですよ。

最近は通信業界も自由化が進み、格安回線業者の台頭で、大分ユーザーを減らしてしまったドコモ、au、ソフトバンクのキャリア3社も手ごろなプランを用意し始めていますので、少し選択肢が増えているようです。

いかがでしょうか。「何をどう選んだらいいか」少しは分かってきたでしょうか。このくらいの事前の知識があれば、やたらに大きなプランを契約することも、思ってもみなかった恐ろしく高価なスマホを購入することもないと思います。

あとは追加のプランをどうするか、ということと、スマホの使いはじめのよくある「なんじゃこりゃ」にどう対処するかということだけですね。これらに関しては、シニアのスマホデビュー 徹底サポート!③を併せてご覧ください。

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