シニアの格安sim(スマホ) 選び方②格安スマホの短所

スマホ料金が半分に?格安スマホの落とし穴

格安スマホは、本当に安いです。でも、詐欺ではないので安いのには理由があります。それをよく理解しないまま契約した人たちが、消費者相談センターに押し寄せているようです。まさに、気づかず落とし穴に落っこちた状態です。

格安スマホに関する相談の多くが、だまされた!と思いこんで電話したけど「それ、ウェブサイトに書いてあるよ」というようなことだそうです。

でもね、私たち中高年にとって、回線事業者のWEBサイトって、情報量が多すぎて、うまくポイントをつかめないのですよ。今回自分が格安スマホで契約するとき、何か月もかけて色々調べて、ようやく契約に漕ぎついた経験からわかった、格安スマホの短所を並べてみます。皆さんは変な穴ぼこに落っこちないでくださいね。

落とし穴 1

スピードが遅い

これは一番小さい落とし穴です。通勤時間帯や昼休みこそスマホを使いたい、という人以外はあまり関係がない話だからです。まだサラリーマンをしている人は少し気を付けないといけませんね。ただし、メールや電話程度ならどの時間帯でも困ることはありません。

前の章で説明したように、MVNOはキャリアから必要な分だけ回線を借りています。ということは回線の数がキャリアに比べて少ないのです。キャリアの回線が片側3車線の高速道路だとしたら、MVNOは片側1車線の一般道です。みんなが使う時間帯には渋滞が起きます。道路と同じで、東京のど真ん中と地方では大きく違うようですが、昼食時などは動画を見るのはまず無理だと思ってください。

裏を返せば、そんなにネットは使わない、どうしても昼にネットを使いたい事情はない、という人はあまり気にしなくてよい、ということです。

落とし穴 2

キャリアのメールアドレスが使えない

これは中くらいの穴です。でも、意外にこの穴ぼこに落っこちる人って多いんですよ。消費者相談センターの窓口にも「番号をそのままで乗り換えられるって言ったのに、メールが使えない!」という苦情は多いそうです。

有料ですが電話番号はそのまま使えるようにできます。でも、メールアドレスは無理です。

キャリアのメールアドレスは、ドコモなら××××@docomo.ne.jp、auなら××××@ezweb.ne.jpとか、会社ごとに@の後ろは決まってますよね。これは使えなくなります。

これはキャリアからキャリアに乗り換えても同じことが言えます。だって、ドコモをやめてauに乗り換えたのに、メルアドが@docomo.ne.jpのままって変ですよね。ありえません。でもキャリア間での乗り換えは、ショップのスタッフが丁寧に教えてくれるから、つまづくことが無いんですね。

あとは、年齢層の高い人たちは浮気をしない人が多く、乗り換え自体経験がない人が多いため、この穴ぼこに落ちやすいのかもしれません。

では、MVNOにのりかえたら、メルアドはどうなるか、というと、グーグルやヤフーの無料で使える「フリーメール」を使います。

なんだかみみっちい感じがしますか?それとも危険な感じがします?難しそう?確かに、メールの画面の様子がかなり変わりますので、初めは使いにくいと感じるかもしれません。

でも、今の若い人たちはキャリアで契約していてもフリーメールも持っていて上手に使い分けていますから、恥ずかしいことでも何でもありません。セキュリティーが甘いということもありませんし、技術的に難しいこともありません。ただし、プロがそばについていないところで「自分でやる」ことに不安を感じる方は多いと思います。人間のサポートはなくても、こうしてネットでいろいろ調べられる方なら、ネットを見ながら設定すればそんなに難しい部分はありません。ここも別の章で詳しく説明します。

そして、SMS(電話番号で送れるショートメッセージ)が有料になります。1通数円という微々たるものですが、MVNOで契約したら、SMSよりEメールの方が安くなるということをお忘れなく。

まあ、もともとメールなんて使ってないし、という方は気にする必要はないですね。

落とし穴 3

キャリア独自のサービスが使えなくなる

これはどれだけのサービスを利用していたかで穴ぼこの大きさは個人差が大きいですよね。

ポイントや家族割、その他こもごものサービスはもう使えません。ただし、たまっているポイントなどは他で使える場合もあるので、解約前に「ポイントは電話代や新機種購入以外に利用できるか」と確認した方がいいですよ。たまったポイントが無駄にならないよう、使いきる方法も確認しましょう。

落とし穴 4

ショップがない!

なので、契約時や問題が起きた時など自力で解決する必要があります。

ネットが使えないと結構面倒かもしれません。

私たち中高年にとって、多分これが一番大きい穴ぼこです。

でも、この記事にたどり着いたあなた!

あなたには、これを読んでいる時点で、ご自身で調べ、問題を解決する能力が十分ある、ということです。もしかしたら、年配のご両親のために調べている親孝行な子どもさんかもしれませんけど。この記事では中高年が引っかかりやすい「わかりにくさ」に焦点を当てて説明していきますので、サポートできる方が近くにいるのなら、ぜひお手伝いしてあげてほしいと思います。

ショップの店員さんの質問に答え、書けと言われた書類に書き、印鑑押したら今すぐ使えるスマホを渡される、ということはないんですね。ショップがある格安回線事業者に行ったとしてもキャリアのように手取り足取り手伝ってはくれません。

自分である程度情報を取捨選択する力がないと契約へのハードルはとても高く見えるはずです。

私自身、契約の時いろんな回線業者に電話したり、のろくさとチャットに文字を打ち込んで問い合わせたり、本当に時間がかかりました。でも、時間はかかりましたが、ちゃんとできましたから!

年を重ねてくると、悔しいですが情報を整理したり、どっちがいいか選ぶ力が落ちてきます。選ぶために問い合わせるも、要領よく話すことが本当に下手になったと、自分でもがっかりします。それは仕方がないので、出来る範囲で調べておいて、問合せするときはメモに書いておいて読んだり、具体的に話すように心がけると良いと思います。

この記事はそのあたりの紆余曲折を短縮するために書いていますので、最後まで読んでいただければ、お目当てのMVNOのWEBサイトに行った時、疑問が出たとしても具体的な問い合わせができるはずです。

落とし穴 5

かけ放題プランがない

これは人によっては大きな穴ぼこです。

長電話の方、10分を超える電話を頻繁にかける方は要注意です。

ただ、自分でも長電話が過ぎるから、この際この癖を直したい、と思う方には向いていますよね。自分で言っていて耳が痛いですが。

格安回線業者のプランのほとんどが、5~10分程度の通話なら何回でもかけ放題、というパターンです。10分以上の長電話をたくさんすると結構な通話料がかかります。私が契約している会社では60分の長電話だと1200円前後かかります。週に一度1時間の長電話をしたら4800円。基本料金と合わせたら何の節約にもなりません。

長電話をやめる予定のない人は、格安回線の契約には向かない、ということです。

落とし穴6

110番などの緊急電話番号にかけられない?

これは半分本当で、半分嘘です。MVNOの多くが「無料通話アプリ」を用意し、通常30秒20円の通話料を半額にしたり、10分以内の通話なら何度でも無料でかけられるようにしてくれています。このアプリを使って通報ができない、ということなのです。

通話できるsimさえ入れていれば、アプリ(アプリ識別のため番号の頭に付く、長~い数字)を使わなければ、ちゃんと発信できます。

また、緊急地震速報などは、MVNOのほとんどが対応しているようですが、海外製のスマホ本体側で対応していないものがあるようです。ちなみに私のスマホはファーウェイ製ですが、先日、集中豪雨で特別警戒警報が出た時に、ちゃんと鳴りましたよ。

結構たくさんの落とし穴はありますが、他にも故障時の補償がいまいちだったり、切り替えが同日にできず、一日二日携帯無しで過ごすことになる場合も。

ただ、こういった短所を補う方法はいろいろあるので後述しますね。

短所を先に書いたのは、ここをよく理解せずに契約して後悔したり、家族に迷惑をかけてしまったりするケースが多いからです。

次は「シニアの格安sim(スマホ) 選び方③格安スマホの長所とまとめ」で、格安スマホにするメリットと、格安スマホを使うのに向いている人について書きます。

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