「格安」と名乗っているのだから、安いのは当たり前なのですが、他にもメリットはあります。ここでは、どれくらい安いのか、他にどんなメリットがあるのか紹介します。
どれくらい安くなるのか
初めに月5000円くらい安くなる、と書きましたが、これは契約内容によって違ってきます。
中高年の場合、キャリアのスマホだと7000円前後が平均的なところではないかと思います。
大雑把な話ですが、キャリアで7000円前後の契約で不自由ないようであれば、MVNOの契約だと2500円前後に抑えられると思います。キャリアのスマホで5000円くらいの契約なら、2000円前後でしょうか。
私自身は、7000円くらいだったものが2000円ちょっとになりました。少し電話代がかさむと3000円近くなる時もまれにあります。
料金以外の長所
2年縛りがない
キャリアの場合、2年ごとの自動更新が普通で、気まぐれに解約すると10000円ほどもする解約金を取られます。契約更新月含む2か月間だけ、解約金なしで解約が可能です。ただし、これもお国からの指導が入り、キャリア各社それぞれに緩和し始めました。が、その手法が三者三様で、これまたわかりにくい。
MVNO(格安通信事業者)も、初めて契約してから○年以内に解約すると解約金を取る、というシステムではありますが、それ以降はいつでも解約ができます。データ通信しかできないsimであれば、その期間も半年~1年のところが多いので、いやになったら割とすぐに解約できる自由さがあります。
緩和され始めたキャリアの2年縛り、今後どうなるか注目ですね。
好きなスマホが使える
キャリアはそれぞれに取り扱いができる機種が決まっていますよね。auを契約している友人のスマホが欲しいと思っても、ドコモでは取り扱いがない、ってことも多々あります。でもスマホって、もっといっぱいあるんですよ。アマゾンや価格.comなどで検索してみて下さい。魅力的なスマホがいっぱいです。
MVNOでは、simフリーのスマホまたはsimロックが解除できるスマホならどれでも使えるようになります。simフリーのスマホとは、ほかの通信会社のsimに差し替えるだけで、その通信会社の契約で使えるようになるスマホのことです。少し前まで、キャリア3社は、これを変えられないようロックをかけていたので、通信事業者を乗り換える場合はスマホも購入しなければなりませんでした。今は頼めばロックを解除してくれますが有料です。
通信量によって最適な契約が選べる
キャリアの契約はS,M,Lみたいに契約の種類がざっくりとしていて、通信量だけもっと大きくしたいのに、かけ放題までついてきちゃうの?とか、ネットはあまりやらないから無料通話が多い方がいい、と思っても使いもしないネット通信量がどっさりついて来たり、やたらにセットになっていて無駄が多いと思いませんか?
格安回線業者には、もちろんセットのプランもあるけど、もっと細かく自分のスマホライフに合わせた契約が選べるようになっています。
無駄がないって、気分がいいです。
海外でも安く使える
あとは、私自身が感じたメリットですが、海外旅行に行った時、現地の空港でsimカードを購入して日本から持って行ったスマホに挿入して使えたことです。とても安く、快適に利用できました。すごいぞ、simの規格って、世界共通なんですね。
スマホをsimフリーのものに変えていたことと、simカードの概念をきちんと理解したからできたことです。
simフリーなんて、何だか怪しい?
ちなみに、日本では最近注目されるようになったsimフリースマホですが、これって外国では結構当たり前なんですよ。これまでの日本が不自由過ぎで変だったと私は思っています。こんなことしてるから、世界の市場に参入し損ねるんだよ、と思ったこともたびたびありました。
なので、「格安」と聞いて何かからくりがあるのではないか、と必要以上に警戒する必要はありません。日本では「格安」に見える仕組みですが、世界標準の仕組みですから。そして、たくさんのショップとスタッフを抱えてサポートに厚い会社は料金が高く、利用者が自力でやる部分が多い会社は安いのも世界の標準です。
私の周りに、40代という若さにも関わらず、「格安スマホなんかに手を出したら痛い目に合う」などと平気で言う方がいてびっくりしたことがあります。調べもしないで聞きかじりの情報と印象だけを根拠に、さも事実のように断言する人は、皆さんの周りにもたくさんいるかもしれません。
これを読んでいるあなたは、MVNOに乗り換えるのに不都合がないか、自分でもできそうかを調べているのでしょう? 情報をきちんと調べ、何が本当で何がウソか、何が自分に必要でどこに踏み込んだら危険か、を判断する「情報リテラシー」の高い方だと思います。これからの時代、とても大切な能力だと思いますので、余力があれば他のサイトでもきちんと調べてほしいと思います。MVNOについて記述しているサイトはたくさんあると思いますので。ただし、なるべく新しい記事を参考にすることをお忘れなく!
ここまで、格安スマホが怪しいものではないことと、何気なく乗り換えるのは危険、と言うことを知っていただきたくて長々書いてきました。
本題になかなか入らず、導入の部分に文字数を割いたのは、自分自身がMVNOへの乗り換えを考えた時、ここがうまく消化できず、本当にキャリアを捨てて大丈夫?という不安が付きまとっていたからです。
キャリアの契約を大事にした方がいい人
・経済的に余裕がある人(何だかんだ言ってもキャリアは便利だし、ラクチン)
・ここまでの話がさっぱりわからない人(意味が分からないままでの乗り換えはトラブルのもと)
・ここから先の話を3回読んでも、やっぱりできそうもない、と感じた人
・困ったら嫁に行った娘が手伝ってくれるから大丈夫、と他力本願の人
・認知症の人(初期であっても新しいものは苦手なはず。電話はライフラインです。いざという時使い方がわからず役に立たないかもしれない、と不安な場合はやめておいた方がいいと思います)
格安スマホを使った方がいい人
・スマホは使いたいけど、通信費を節約しなければならない事情がある人
・ここから先の話を読んで、できるかも、と思った人
・新しいことを学ぶ意欲がある人。ネットを使いたい人
つまり、なんとなく乗り換えることはできないのです。
MVNOはなぜ格安か、前述しました。手取り足取りのサービスは受けられないのです。「全部ウェブサイトに載せてるから、まずはそこを見てくれない?」がMVNOの基本スタンスだということを忘れないでください。
次からはもっと実務的な話になってきます。もう少し具体的なことが知りたくなっていましたら、先にお進みください。次はいよいよ「シニアの格安sim(スマホ) 選び方④回線業者をどう選ぶ?」で、どの回線業者が自分に合っているか見つけましょう。
また、これがスマホデビューとなる方は、
も併せてご覧ください。