日本ほど現金払いが好きな民族はない、と言われていますが、実際、他の先進国と比較すると驚くほどキャッシュレスが進んでいません。
現金払いがクリアで安心なのに・・・
現金なら自分の手元にある範囲でしか買い物ができないから安心、日本円は信用度が高い、お金は目に見える、など、「理解しやすさ」では現金決済の方が圧倒的に優位です。クレジットカードにプリペイドカード、おサイフケータイに、最近噂のペイペイとやら。キャッシュレスで支払う方法が多すぎて、もう、おばちゃんにはついていけません!
なのに、国を挙げてキャッシュレスを推進する裏には何があるんでしょうか?私たちに、どんなメリットがあるんでしょう?
キャッシュレスのメリット
1.消費者のメリット
精算の時間が短くて済む
財布にいくら入ってたっけ?と考えるストレスから解放される
銀行にお金をおろしに行く必要がない(時間外の手数料も取られない)
クレジットカードや、プリペイドカード、スマホ決済サービスなどには、ポイントなどの特典が付く
明細が自動的に残る決済方法を使えば、自身のお金の使い方が見える
特に余分な手数料はかからない
2.お店のメリット
精算の時間が少なくて済む
数字だけをやり取りするので間違いが少ない
銀行への現金運搬、現金保管の危険性が軽減
ツケによる取りっぱぐれが減る
3.国のメリット
脱税が減る
紙幣発行の経費が削減できる
偽札等の犯罪防止
こうしてみると、メリットだらけに見えます。でも、デメリットだってありますよね。
スマホ決済などの新技術は、高齢者にはわかりにくいですし、実際の支払いが1か月も先になるクレジットカードも、金銭管理が面倒と感じるかもしれません。何だか、毎回ツケで買っているみたいでいやな感じ、と言う高齢者の方もいます。
そもそも、人の手を借りないと、導入できないようなものを使い始めれば、わからないことやトラブルになったとき、また人に助けてもらわないと解決できない、という、「自分でコントロールできない」不安を持つ高齢者は、私の周りにも多くいます。
現金を持ち歩くのも危険だけど、カードを盗まれたら、被害額は現金を盗まれるより大きくなる、と安全面に不安を持つ高齢者も少なくありません。
また、停電やネットの不具合が起これば、キャッシュレス決済もダウンするはずですよね。
お店側では、数パーセント程度の決済手数料がかかるし、場合によっては、専用の読み取り機などを導入する必要もあるでしょう。個人商店で、どこまで導入に対応できるでしょうか?
現金払いは損をする?
これは、間違いない事実です。
現状でも、クレジットカード払いをすれば「ポイント」が貯まりますよね。「は?ポイント~?いやいや、よく使ったって、月に2~3万でしょ?ポイントなんてたかが知れてるって」と思う方も多いと思いますが、これが馬鹿にならないのです。
最近では、電気代・電話代をはじめ、あらゆるものがクレジットカードで支払えます。皆さんは、生活費って、どのくらい掛かっていますか?どんなに少なくても10万円程度の出費はありませんか?できる限りすべてをクレジットカードで支払うとしたらどうでしょうか?
クレジットカードのポイントは会社や条件によって一概には言えませんが、利用金額の0.5%が標準的なところでしょうか? でも、たいていのクレジット会社が様々なキャンペーンや特典を用意していて、上手に活用すれば、1%以上のポイントが付くことが多々あります。
実際、私自身は、楽天ショッピングをよく利用するので、まあ楽天でもいいかな、というサービスの利用をなるべく楽天に集めることで、付与されるポイントを増やしています。また、ポイントを使い忘れることがないよう、スマホの利用料金に優先的に使うように設定してありますので、せっかく貯まったポイントを無駄にすることもありません。
私の2018年、1年間のクレジットカードのポイントの合計はおよそ25000ポイント。25000円分ってことです。
利用しているスマホは、いわゆる「格安スマホ」の楽天モバイルで、毎月2500円前後の支払いなので、スマホの通信料は、ほとんどポイントでまかなえてしまいます。
たかがポイントと侮れないと思いませんか?
2019年10月、消費税増税に伴う割引き制度
来年10月に消費税が8%から10%になることは皆さんご存知だと思います。この増税軽減のため、移行時期に割引制度が導入されるようです。
今のところ、9か月間、5%の割引が受けられる計画のようですが、この割引、キャッシュレス決済の場合のみ、適応されるそうです。「キャッシュバック」や「割引」ではなく「ポイントアップ」という形になるようです。
一種のバラマキじゃないか、とか、10%への増税の是非や軽減税率などについて、皆さん、思うことは多々あるでしょうが、その話は置いといて、今回は導入時の消費者の損得だけの話です。
クレジットカードやスマホ決済などには、もともとポイントがつくわけですから、5%の割引に加算すると、現金払いに比べて、キャッシュレス決済の方が6%前後生活費が安くなるということですよね。毎月の生活費10万円をキャッシュレス決済する場合、9か月間なので、6000円×9か月=54000円分のポイントが手に入ります。生活費が20万円かかっている場合なら倍です。
現金払いしかしない人は、これがもらえないのです。
高齢者はどう立ち回ればよい?
高齢者、と言っても、家族と同居している方はあまり心配しなくていいと思います。
問題になるのは、2025年以降も高齢者のみで生活しているだろうと予想される高齢者の皆さんです。
政府は、2025年までに、キャッシュレス決済の割合を現在の倍以上にする目標を打ち出しています。すでに、キャッシュレス決済でないと非常に面倒だったり、購入できない物やサービスが出始めていますよね?
国を挙げてキャッシュレスを推進する動きがある以上、余禄にありつけたり、便利に使えるのは、キャッシュレスで支払う場合だけ、という動きは、きっと今後も続くでしょう。
もちろん、現金払いの方が安いお店があったり、ネットワークの不具合が起これば、現金が必要になることもあるでしょうから、現金を全く持ち歩く必要がなくなる、ということはないと思います。
年金生活になれば、ほとんどの人が、生活費を十分賄えない程度しかもらえない年金と、これまで地道にためてきた貯金を切り崩す生活が待っているわけですから、オレオレ詐欺なんぞに引っかからない心掛けも大事ですが、こういった新しい時代の「節約術」にアンテナを張り巡らし、状況によって現金決済とキャッシュレス決済を使い分ける感覚を身に着けることが、大切なのかもしれませんね。
抵抗感の低いものから始めてみよう!
私の周りには、そもそもクレジットカードを持っていない、という高齢者も多くいます。が、中高年にとって、キャッシュレス決済のうち、抵抗感が少なくて使いやすいのはクレジットカードではないでしょうか?
町でも、ネットショッピングでも便利に使えて、それなりに歴史もあるので安全性も高いですよ。ポイントもたまってお得!
クレジットカードは、たとえ年金であっても、毎月一定額の収入があれば作れますので、お持ちでない方は勉強と思って作ってみることをおすすめします。
「シニアのクレジットカード事情」にクレジットカードの選び方のポイントをまとめてありますので、参考にしてみて下さいね。
「アプリを入れる、アカウントを作りIDとパスワードを登録する」と聞くとげんなりする50代、60代のプレ高齢者の皆さんには、ここは、ひと頑張りのしどころかもしれませんよ!
私自身も、よく分からないなりにLINEペイだのペイペイだのにも挑戦してみようと思っています!