簡単ストレッチのすすめ

ある程度健康管理に興味を持っている方なら、ストレッチの重要性は十分わかっていると思います。

ところが、テレビでも雑誌でも、ありとあらゆるストレッチが紹介されていて、どれを選べばいいかわからない。 情報過多時代の弊害ですよね。 よさそう、と思ったことを全部やっていたら一日が終わってしまします。

今回は、自分自身が肩やひざの故障や、むち打ちなどの度に接骨院や整形外科、ストレッチ教室などで教えてもらったことから、健康増進のためのストレッチについて取りまとめてみました。

ストレッチって、なんのため?

どんなストレッチをしたらよいか分からなくなって困ったときは、そもそもストレッチって何のためにするの?というところに戻ると選びやすくなります。

中高年がストレッチをする目的のほとんどが、固まった筋肉をほぐすことで、血行を良くし、代謝を高めて体調をよくするため、ではないでしょうか? 長年の悪い習慣でゆがんだ体を、正しい位置に戻すことで、内臓の位置を引き上げ、消化をはじめ内蔵機能の調整をしたい、ということもあると思います。

筋肉をほぐすことのメリットも、姿勢を正しい位置に戻すことのメリットも、様々なところで紹介されていますし、皆さんもよくご存じでしょうから、ここでは割愛します。

どんなストレッチがいいのか?

ストレッチというのは縮んだものを伸ばして引っ張ることですよね。なので、伸ばして引っ張る体操なら、何でもいいのです。いつも動かしている範囲より、より大きく動かし、普段あまり動かさない方向に筋肉を伸ばせばいいのです。前に出ている肩は後ろに反らす、つま先を上げてふくらはぎの筋肉を伸ばす、というありきたりのことでいいのです。

もう一つは、肩が丸まっているから、肩のストレッチだけすればいいのかと言えば、肩は背中やお腹につながっているのだから、ピンポイントなストレッチでは効果が十分ではありません。なので、なるべく体中を伸ばす必要があります。

つまり、ありきたりのストレッチでもいいから、全身を伸ばすことのほうが大事、ということのようです。

効果的なストレッチ

まず最初に、やってはいけないこと。痛いのを我慢して、ギリギリと伸ばすのはダメだそうですよ。最大でも、痛気持ちいい程度で十分。 もう一つは、首は強く、早く動かさないこと。特に私のように、むち打ちによる異常が感じられる場合は首のストレッチはダメだそうです。 脳から体への神経が束になってあの細い首の中に納まっています。ストレッチでも、揉むときでも、どこにどんな神経が通っているのか知らない素人は、首を強く刺激すると、かえって痛める危険性があります。

腹式呼吸でゆっくり呼吸をする。 鼻から3秒吸って、口から7秒吐く、とよく聞きますが、これは自分でも本当だな、と感じます。 特に吐いているとき、より可動域が広がる感じがします。リラクゼーションにもなり、自律神経も整えます。

気が付いた時にいつでもやる。体を正しい位置に癖付けするのには、気づいたときにちょこちょこできることをする方が効果的だし、疲れがたまらない気がします。自分もそうでしたが、夜になるとどっと疲れが出る方は試してみるといいですよ。しっかり時間を取ってみっちりやってもいいのですが、3日坊主になりがちですよね。あまり気負わずに、思いついたときにやる、からスタートする方が長続きすると思います。週に一度ストレッチ教室の時だけやっているのでは、あまり効果は望めませんよ。

ゆっくりやる。一つ一つの動作をゆっくり行うことが大切です。ああ、伸びてる、と実感しながら、ストレッチをしている部分に意識を集中させることが大事だそうです。

対になったストレッチをする。前屈はするけど、背中をそらすストレッチはしない、というように同じ運動ばかりでは意味がないので、前に曲げたら後ろにも曲げる、というように対になったストレッチが必要です。

私のおすすめストレッチ

内臓の不調や、中年太りでおなかが出てきた人にお勧めのストレッチです。姿勢を正して立ち、ちょっとたとえが汚くて申し訳ないのですが、尿道からおしっこを吸い上げ、胃まで逆流させようと頑張ります。そんな気持ちで力を入れる、ということですよ。これだけです。力が入ると感じるのは尿道近辺ですが、これが内臓全体を引き上げて正しい位置に戻すストレッチだそうです。先日、TVで股の間にからのペットボトルを挟むと、より意識を集中しやすくてよい、と言っていました。尿漏れなどにもいいと言われているストレッチですよね。男性には不向きなのかな?

もう一つは、肩回りや上半身のストレッチの時、両手で何かを持っていると、より効果的なので、いつもやっています。両手を上げるときも、体をひねるときも、持った物を離さないように両手でつかんでいます。タオルの端と端を持ってやるとよい、とよく言いますが、思いついたときタオルが手近にないと、すぐできないですよね? ボールペンでも、ノートでも何でもよいのだと気づきました。一つの物を両手でしっかり持っていると、いつもより大きく動かせます。 短時間のストレッチでも、意識してすると、頭も体もすっきりします。視界が明るくなったと感じることもあります。

スポーツのためのストレッチや、体の故障のリハビリのためのストレッチではなく、あくまで健康増進のためのストレッチでは、どんなストレッチをするかより、どういう風にストレッチをするのかのほうが大切だということのようです。

自分自身、長年の習慣で悪い癖がついてしまった体を、ストレッチで正しい姿勢にすることで、驚くほど楽になった部分もありますので、皆さんもあまり身構えず、チョコチョコっと気楽に始めてみませんか? 楽になるとちゃんと習慣になり、やめられなくなりますよ!

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