高齢者らにIT指南 総務省、新たな「民生委員」
総務省は2018年度、情報通信技術(ICT)の機器の使い方を身近な高齢者や障害者に教える「ICT版民生委員」の制度をつくる。あらゆるモノがネットにつながるIoTや、人工知能(AI)を使った高度な機器が今後家庭に浸透していく。20万人規模で手厚く新しい情報通信技術を伝え、誰でもメリットを受けられるようにする。
2018/3/22、日本経済新聞の朝刊の記事です。
情報通信技術(ICT) を国が後押ししてるって本当なんだ・・・と肌で感じました。
「ITとか苦手だし、今までのスタイルでいいよ」と言っていると、間違いなく、近い将来生きにくい世の中になるんだな、と思いながら読みました。
何もかもがスマホの時代になってきました。現金がなくなるかも?なんて話も。ICTにIoTにAI・・・。アナログ世代の私たちにとっては、「なんてこった」と言いたくなる世の中の流れですよね。しかもこの流れ、早いです。うかうかしていると、本当に買い物すらできなくなる日が、あっという間に来るのではないか、と不安になり、ちょっと調べてみました。
スマホで何ができるのか?
近年、スマホの利用率は驚くべき速度で増えています。若い世代では90%以上、全国民でも70%以上がスマホを使っているわけですから、国や企業にしてみれば、これを利用しない手はないですよ。今後スマホの役割は、ICT網を個人につなげる重要な道具になるのは間違いないと思います。というか、すでにスマホはそういう側面を持っていますよね。今や、スマホは電話であり、地図であり、テレビであり、お店であり、銀行であり、塾であり・・・と考えると、これからまだまだスマホが担う役割が増えそうな気がします。私たち利用者にとって便利なだけでなく、企業や国側から見ても便利この上ない仕組みだからです。
IoTって何?
最近よく耳にするIoT(アイオーティ)=Internet of Thingsは直訳すると「物のインターネット」、つまり物がインターネットにつながるということです。スマホの遠隔操作で家のカギを締めたり、電気をつけたり、スマートスピーカーなんていう、話しかけるとテレビをつけてくれたりするものもありますよね。こういう物を動かすのに必要になるのがネット回線です。そう、スマホです。
これまではネット回線と言えばパソコンとセットで考えられていたので、自宅にパソコンがない人には無縁の存在でしたが、スマホの登場がこれを大きく変えました。スマホは持ち歩ける小さなパソコンですから、国民の全員がスマホを持つ時代になれば、すべての人がネットを通じたサービスを受けられるようになるのです。
いいよね、別に不便でも。鍵は自分で締め、テレビは自分でつけるもん。と言っているうちはいいのですが、心配なのが「スマホがないと○○ができない」という事態になることなんですよね。
スマホがないと銀行からお金が下せない、ローンが組めない、買い物ができない、住民票が取れない、なんてことになってくると、これは大変。スマホが使える人には、わざわざ役所や銀行に行く手間が省けて、便利この上ない仕組みですけどね。
インターネットはライフライン?
もしかして、インターネットは私たちアナログ世代の感覚でいう、電気と同じじゃないですかね? 電気はないと困りますよね。ライフラインですよ。そう、インターネットは、次世代にはライフラインとして位置づけられるんじゃないかな、と思うのですよ。
すでにそういうサインは出ていますよね。震災の時、フェイスブックやツイッターで助けを求めたり、18年度からは郵便局と郵便局の間を、無人ドローンで集配するって言っていましたよね。集配をドローンで行うことをバックアップするため、地図のゼンリンさんが「空の地図」を作り始めているし、「ロボネコヤマト」なる無人の宅配自動車による宅配も実証実験に入っています。東京では、銀行の小さな支店は、すでにATMしか置いていないところも出てきています。
もう、スマホ(インターネット)は趣味や暇つぶしのおもちゃじゃないし、生活をちょっと便利にする道具っていう認識も、すでに甘いのかもしれません。
いつ、そんな時代になるの?
ここで、最初に紹介した日経新聞の記事に戻るんですが、国が高齢者のために「ICT民生委員」を置く準備をしている、ということは、すでに今高齢の人たちが不便になる可能性を示唆していると思いませんか?
私自身、中高年と言われる昭和の人間ですが、もしかしたら、今50~60代の世代が後期高齢者にになるころには、すっかり世の中の様子が変わっているのかもしれません。
空にはドローンが飛び交い、車は自動運転が標準になり、買い物は仮想通貨で、支払いはスマホ・・・。
昭和の時代に楽しんだSF小説の世界が、もう目の前まで来ているんですね。
年を取って、体が痛い、とか具合が悪い、とか言いながら、さらに生活の不便まで抱えるのはご遠慮したい。
・・・ということで、私自身もICTとか好きでも得意でもないけれど、今後、少し世の中の動向に注意を向けながら、始められることは始めて行こうと思っています。